原題:Cop Car
製作年:2015年
製作国:アメリカ
配給:コピアポア・フィルム
映倫区分:PG12
監督:ジョン・ワッツ
製作:コディ・ライダー、アリシア・バン・クーバリング、サム・ビスビー、アンドリュー・コートシャック
キャスト:ケビン・ベーコン、ジェームズ・フリードソン=ジャクソン、ヘイズ・ウェルフォード、カムリン・マンハイム 、シェー・ウィガム
(以上、映画.comより)
65点/100点
主演であるケビン・ベーコンが制作総指揮も務めた作品。弱みを握られた少年たちが恐ろしい保安官から逃げるスリラー映画である。
車泥棒(+無免許運転)という一種のクライム・サスペンス映画とも言えるが、追いかけるのは比べ物にならない程凶悪な犯罪者である保安官。この構図が絶妙であり、「子ども故の判断力のなさ」「犯罪を犯したという罪悪感」「家出をした故に帰りたくない」などという事情により、うまく追い詰められていってしまうのだ。また、スリラー映画のくくりではあるがノスタルジックな一面や友情の絆といったものも楽しめ、青春ロードムービーとも言っていいだろう。往年の名作「スタンド・バイ・ミー」を思い出させる映画である。
少年達を追い詰める警官役を務めるケビン・ベーコン。やはり彼がこの映画での最重要な人物である。かつては青春映画のスターとして活躍していたが、その後様々な役柄を演じ、現在は個性派、実力派俳優として名高い。この映画では、目が合うだけで背筋が凍りそうになるほどの恐ろしい悪役を演じきっている。悪役としてこれほどまでのオーラ、迫力を出せる俳優はあまりいないであろう。この映画の撮影時にケビン・ベーコンは50歳を超えているが、体もしっかり鍛えており、その老練さがまた狡猾さ、迫力を演出していると言える。少年たち二人も良い演技をしているが、完全にケビン・ベーコンの一人舞台と言っていいほどに雰囲気の差がある。
ただやはり、「子どもたちが保安官から逃げる」というだけの作品であり、底は浅い。セリフ回しが特別秀逸なわけでもなく、先が読めないわけでもない。楽しいハラハラした時間を過ごすことに関しては文句なしなので、大作を見るのに疲れた際はこの映画を軽い気持ちで見てみると意外と楽しめると思う。