原題:Insidious
製作年:2010年
製作国:アメリカ
配給:ショウゲート
監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
製作:ジェイソン・ブラム、スティーブン・シュナイダー、オーレン・ペリ
キャスト:パトリック・ウィルソン、ローズ・バーン、リン・シェイ、リー・ワネル、バーバラ・ハーシー 等
(以上、映画.comより)
(あらすじ)
ジョシュ(パトリック・ウィルソン)とルネ(ローズ・バーン)とその息子3人は、新居に引っ越した。しかし異音などの怪奇現象に見舞われ、ある日、長男のダルトン(タイ・シンプキンス)が梯子から落ちて昏睡状態になってしまった…
70点/100点
「ソウ」の監督ジェームズ・ワンと脚本リー・ワネル、「パラノーマル・アクティビティ」のオーレン・ペリが製作を務めたホラー映画。北米・イギリスで大ヒットし、製作費を大きく超える興行収入を記録した。また、その大ヒットを受け、その後シリーズ化されている。
「エクソシスト」などの系譜である、オカルト系ホラー映画。映画沿うの監督脚本コンビであるが、ソウのような暴力的シーンはほぼない。あくまで、悪霊・悪魔に脅かされる系の映画である。話の序盤の流れとしては、定番の「引っ越し→怪奇現象が起きる→霊媒師を呼ぶ」というテンプレなもの。ただし、後半の流れは割とこの系統の映画の中では珍しいもので、なかなか面白みがある。
そして、この映画の特徴として挙げたいのは、「驚かせる演出」がやたら多いということ。例えば画面を急に何かが横切るとか、静かな場面で急に何かが出てきて大きな効果音が鳴るなど。こういった驚かせる演出はホラー映画かどうかを問わずありふれたものではあるが、一つの映画であまり多用されることはない。しかしこの映画ではこれを多用する。これでもかというほどに。執拗に、視聴者をびっくりさせにくるのだ。
この驚かせる演出というのはいわば力技であり、映画を飽きさせないためのアクセントであり、あまり内容の評価には直接影響しないものである。しかしこの映画では力技の多用により、「次はどこで驚かせてくるのか」と気の抜けない状況を上手く作ることに成功している。意味のない力技なのではなく、実に使い方が上手いのだ。また、効果音だけでなくBGMや環境音等の音響効果も上手く使っており、雰囲気作りがとても徹底していて話に入り込みやすい。
狭い舞台で展開されるホラー映画であり、話の深さがあるという事は全くない。その上大変使い古された題材の映画だ。しかし新鮮さも感じられ、演出も洗練されている。ホラー映画ファンに限らず、映画好きなら一度見てほしいものだ。なお、視聴する際はなるべく部屋の明かりを落として環境を整え、集中して観てほしい。きっと楽しめるはずだ。