原題:Ant-Man
製作年:2015年
配給:ディズニー
監督:ペイトン・リード
製作:ケビン・フェイグ
製作総指揮:ルイス・デスポジート、アラン・ファイン、ビクトリア・アロンソ
キャスト:ポール・ラッド、エバンジェリン・リリー、コリー・ストール、ボビー・カナベイル、マイケル・ペーニャ 等
(以上、映画.comより)
(あらすじ)
3年前に窃盗罪で服役していたスコット・ラング(ポール・ラッド)は、刑期を終え刑務所から出所した。しかし離婚した元妻は冷たく、新たな仕事も上手くいかない。しかしひょんな事でアントマンのスーツを手にすることとなる…。
75点/100点
主演はポール・ラッド。映画俳優として長く色々な作品に携わってきていたが、主にコメディ映画での活躍が多く、ヒット作自体はいくつかあったもののあまり大作での出演には恵まれていなかった。その中で、アントマンで主演を果たしたというのはまさに大抜擢だと言える。ポール・ラッドはベテラン俳優なだけに演技力も申し分なく、アントマンではコメディ風味も交えつつ、しっかりとヒーローという役柄をかっこよくこなしている。今後の活躍に改めて期待したい俳優である。
話としては、割とコミカルな風味のアクション映画である。アントマンはマーベル映画の中でもなかなか変わった点が多い。まず、主人公が前科者だということ。ヒーローものの主人公で前科者、そしてバツイチ。なかなか不遇な設定で面白い(本当にハードでキツイ)。次に主人公の仲間がアリだということ。もちろん、人間の仲間もいるが、アリを使役するというのは割と斬新なのではないか。それと、修行シーンがあること。個人的には、スーツを手に入れただけで超人的な強さになった、という流れもわかりやすくて嫌いではないが、前述した主人公の不遇な設定との効果も相まって、修行して叩き上げられるという泥臭さがなかなか悪くない効果を出している。
総じて、テンポよくまとまっており気楽に鑑賞できるアクション映画である。しかしさすがマーベルユニバース作品、他作品キャラとの繋がりもあったりと、設定はとても細かく詰めてありじっくり観る事で読み取れる事が多い。複数回観る事で新たに発見できる事もあるだろう。しかし話としては物凄く重くてシリアスなのに、どことなく軽い、コメディ風味な印象を受けてしまう不思議な映画である。あえて話が暗くなりすぎないよう画面効果やテンポをうまく使い演出したのであろう。安心して観ることができるため、万人におすすめできる映画だ。