原題:Bumblebee
製作年:2018年
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
監督:トラビス・ナイト
製作:ドン・マーフィ、トム・デサント、ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ、マイケル・ベイ
キャスト:ヘイリー・スタインフェルド、ジョン・シナ、ホルヘ・レンデボルグ・Jr、ジェイソン・ドラッカー、パメラ・アドロン ほか
(以上、映画.comより)
(あらすじ)
舞台は映画シリーズ第一作「トランスフォーマー」の20年前となる1987年のカリフォルニア。主人公である少女チャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は自分の車を欲しがっていたところ、廃品置き場で黄色いフォルクスワーゲン・ビートルを発見する。このビートルこそがバンブルビー(B-127)であった。チャーリーとビーは友情を育むが、ビーを負う連中に目を付けられることとなる…。
70点/100点
今までの「トランスフォーマー」シリーズではバンブルビーの相方はサム・ウィトウィッキー(シャイア・ラブーフ)であったが、この映画はバンブルビーとサムが出会う前の話。そして今までの映画シリーズではバンブルビーといえば黄色いカマロであったが、今作での彼の変形後の車種はビートルである。カマロの特徴的なデザインに愛着があったファンも多かったであろう。しかしシボレーファンへのサービスもしっかりある。カマロに加えてコルベットも登場するのだ。なお、バンブルビーがビートルに変形するというのはこの作品が初めてというわけではなく、初代アニメで使われていた設定である。
話としては、第一作と似たテイストであり、青春映画のようなストーリーで進行する。チャーリーとバンブルビー、そしてボーイフレンド役のメモ(ホルヘ・レンデボルグ・Jr)の3人の関係性は見ていてとても楽しく、周辺のキャラ配置も含めてよくできている。しかし主人公チャーリーは家族から怒られたり複数の組織から追われたりと、終始悪い立場なためあまり良い気分で観られるシーンがない。メインの三人の「逃避(と対峙)」という強いテーマが感じられたが、もう少し楽しいシーンを増やしてもよかったのではないか、とも思う。
また、個人的に気になったのはオートボット(バンブルビー側)とディセプティコン(敵のシャッター、ドロップキック側)の関係性である。今作ではあまりディセプティコンを絶対悪としては描いておらず、オートボットとディセプティコンはただ真っ当に戦争をしているだけと受け取る事ができる。そうか、善悪のない戦争なのだ…と思いきや、思い出したようにディセプティコン側が人間を皆殺しにするだとか言い出す。うーん、結局ディセプティコンを悪として描きたいのか?そのあたりのスタンスが中途半端に思えてしまった。
トランスフォーマー同士の戦闘シーンは実によくできている。今までのトランスフォーマー映画であったような、敵と味方の区別がつきにくいという事もないので安心である(そもそも登場する機体が少ないのだが)。しかし、直接の戦闘シーンがあまりないため、個人的には少し物足りなさを感じた。
ロボット同士の戦闘よりも、青春映画、そして三者の逃避をテーマとした映画であった。話自体がとてもわかりやすく作られているので、老若男女問わずおすすめできる良作になっている。