映画感想につきましてはネタバレを含まないようにし、ストーリー紹介も最小限にしています。「何を見るか」選ぶ参考にしていただければ幸いです。

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セルラー 82点 ネタバレ無し感想

更新日:

原題:Cellular
製作年:2004年
製作国:アメリカ
配給:日本ヘラルド映画
監督:デビッド・R・エリス
脚本:クリス・モーガン
原案:ラリー・コーエン
製作総指揮:ダグラス・カーティス、キース・ゴールドバーグ
キャスト:キム・ベイシンガー、クリス・エバンス、ウィリアム・H・メイシー、ジェイソン・ステイサム、ノア・エメリッヒ
(以上、映画.comより)

(あらすじ)
科学教師のジェシカ・マーティン(キム・ベイシンガー)は突然、男たちに自宅に押し入られ、家政婦を殺害された上で自身は誘拐される。娘と共にとある家の屋根裏部屋に監禁されたジェシカは、壊れた電話機の部品を組み合わせ、ランダムに発信された電話番号に向け、助けを求める。繋がった先は、軽薄な青年ライアン(クリス・エバンス)だった…。


82点/100点

ランダムに繋がった電話を命綱に助けを求める既婚女性と、電話から得る少ない手がかりを元に事件を解決しようとする青年が主人公のスリラー映画。ポスター画像では暗いホラー映画のような印象を受けるが、全くそんなことはないとはじめに注釈しておく。なお、原案は映画「フォーン・ブース」の脚本を手掛けたラリー・コーエンが担当している。

さて、「フォーン・ブース」で素晴らしい脚本を書き上げたラリー・コーエン。そう、この映画も電話をテーマにした映画である。しかし、フォーン・ブースでは公衆電話。セルラーでは、携帯電話がテーマだ。ちょうどこの時期あたりから、今となっては携帯電話というものはあって当たり前であるが、ちょうどこの映画の公開当初は一般向けの携帯電話の普及が爆発的に広がり始めた時代。そう、まさに当時からすると時代の流れにぴったりの映画であった。そこをうまくテーマとして拾っているのは素晴らしい着眼点であり、しかも上手くそのテーマを調理できている。

そしてこの映画のもう一つの面白さ。これはシリアスとコメディの絶妙な融合である。誘拐されたジェシカ側は完全に死と隣り合わせ、同じ建物に凶悪犯がいる状況で常に緊迫した状況で話が進む。一方、電話を受けたライアン側は、嫌みったらしい金持ちから車を奪ったり、ハチャメチャなカーチェイスを繰り広げたりと、ハイテンポで笑える展開。といってもその都度都度に彼は最善を尽くしているので出来の悪い茶番のようには全く感じる事はないし、笑いつつも逆にハラハラ感を上手く煽るよい演出になっているのだ。そして彼はどうやって彼女にたどり着くのか。どういった障害が待ち受けるのか。全く飽きさせない展開が最後まで続き、楽しめる。

物語の主役となるライアンを演じるクリス・エヴァンス。彼のこの映画での演技は本当に素晴らしい。軽薄で無責任な若者が事件に巻き込まれ急に真剣になる。その様子を実に上手く演じている。その後MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のキャプテン・アメリカという大役を果たしているが、このセルラーの時から役者としての魅力が十分に出ている。これからの活躍にも期待だ。そして我らがジェイソン・ステイサム。いつもはクールなヒーローの彼が、今回は珍しく悪役で登場する。もちろん元から凄みのある顔の持ち主なので悪役が似合わないわけはない。むしろ自然すぎるというかいつも通りの演技だが、他の作品での配役などを思い出しながら見たりすることで、なかなか新鮮に感じられて楽しめる。

とにかく、様々なアイディアを散りばめ、完璧に配置されている。まさに万人に薦めたい映画だ。




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