原題:Don't Breathe
製作年:2016年
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
映倫区分:PG12
監督:フェデ・アルバレス
製作:サム・ライミ、ロブ・タパート、フェデ・アルバレス
製作総指揮:ネイサン・カヘイン
キャスト:ジェーン・レビ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾバット、スティーブン・ラング 等
(以上、映画.comより)
(あらすじ)
アメリカのデトロイトが舞台。育児放棄の親と暮らす不良少女ロッキー(ジェーン・レビ)は、妹と共にいつかこの街を抜け出そうと考えていた。そこで、ボーフレンドのマネー(ダニエル・ソバット)と、友人のアレックス(ディラン・ミネット)と共に空き巣をして資金を確保しようとしていた。何度かの成功を収め、次に選んだの視覚障碍者の老人の家。しかしその老人は恐るべき聴覚の持ち主の退役軍人であった…。
69点/100点
リメイク版「死霊のはらわた」のフェデ・アルバレス監督のサイコスリラー映画。簡単に言うと、空き巣を繰り返す若者達3人が、超人おじいさん在宅中の家に忍び込み、戦う話である。この映画は大成功を収め、小さくない影響を映画界に与えた。
さて、音を立ててはいけない、という系統の映画はこれまでも無数に存在していた。2018年にもそれを前面に押し出した「クワイエット・プレイス」が公開されたが、他にも、サバイバル系の映画としては割とメジャーな要素である。そういった映画では音への反応がどの程度敏感かという事も重要な要素となるが、この映画の敵である老人は、人間離れをした聴覚で、小さな音にでも反応するという怪物的な「設定」である。また、老人の他に番犬も敵キャラとして主人公の前に立ちはだかる。
この映画の面白いところはやはり、音を立ててはいけないというハラハラ感である。特に序盤の緊迫感は素晴らしく、家への侵入前後はまさに手に汗を握りながら主人公達を見守ることができる。
ただし、面白いのはそこまでだ。中盤以降からは急に老人が弱くなり、緊迫感が急になくなってしまう。どうにも、最初に期待しているよりも老人が人間らしすぎるのだ。普通に言葉を喋るし、思想も人間的すぎる。いや、人間らしいどころではない。間抜けなのだ。ただでさえ、主人公達3人がおバカ揃いなのに、そのおバカ3人すらろくに捕まえる事もできない。そもそも、侵入者が3人しかいないというのが失敗だったのではないだろうか。老人側が大暴れしても、最大でも3人しか死者が出ない。地味である。それでは怪物感が演出できないじゃあないか…。
とにかく、中盤以降の緊迫感が足りないのが致命的である。それでも十分スリラー映画として楽しめはするのだが…怖いというよりエキサイティングである。ホーム・アローンの現代版かな?しかも、ホームアローンと立場が逆。主人公達が悪人側である。うーん、感情移入できないし応援できない。