原題:It Follows
製作年:2014年
製作国:アメリカ
配給:ポニーキャニオン
映倫区分:R15+
監督:デビッド・ロバート・ミッチェル
製作:デビッド・ロバート・ミッチェル
製作総指揮:ジョシュア・アストラカン、アラン・パオ
脚本:デビッド・ロバート・ミッチェル
キャスト:マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾバット、ジェイク・ウィアリー、オリビア・ルッカルディ 等
(以上、映画.comより)
(あらすじ)
ジェイ(マイカ・モンロー)は、恋人のヒュー(ジェイク・ウィアリー)とデートを重ねた。しかしある日、彼女はヒューから「呪いをうつした」と宣言されるのだった…。
66点/100点
オカルト系ホラー。アイデアが斬新だったためか、多くの批評家から高い評価を得た。
結局のところ、この映画の肝である「呪いの感染」というアイデアについてどれだけ楽しめるか、によってこの評価は変わってくるのではないかと思う。これについては色々な病気だとか、死へのカウントダウンという概念だとか、何らかの事柄についてのメタファーだという考察を見かける。確かにそういった考察をして楽しむ映画としてもなかなかよいものだと思う。しかし、呪いを感染させることについてのルールの一つによって、病気とかも少し違うのかもと思う。いやしかし、風邪などを他の人にうつす事で自分が治る、という有名な迷信もあり、考察としてはなかなか的を射ているのかもしれない。ただ私としては、奥浩哉氏の某漫画作品にそっくりのアイデアだな…という全く関係ない事が思い浮かんでしまった。(この漫画を読んだ事があるために、新鮮な気持ちで楽しめなかったのかもしれない)
さて、肝心の内容としては、ホラー映画として及第点程度かなという印象であった。自分の中で一番盛り上がったのは、映画冒頭の最初の、モブキャラ死亡シーンである。あのシーンの演出に関しては申し分なく、「これから一体何が始まるのか!?」という高揚感を抱かせる十分なものだったと言える。しかし、その後はなかなかシュールで不思議な恐怖演出が続き、しかし言ってしまえば同じような展開が続くため、単調に感じてしまった。ところどころとてもよい演出はあるのだが…。そして、最後の何とも言えない終わり方である。悪くはないのだが、ホラー映画なのか青春映画なのか。
とにかく、ホラー映画にしては少しぬるく感じ、青春映画として扱うにはホラー箇所が多すぎる。かといって雰囲気映画としては画面作りが甘い。とにかく、気持ちの切り替えがよくわからなくなってしまう映画であった。ただ怖さだけを求めている人には物足りないであろう。しかし今や、ホラー映画を語る上では外せない作品の一つなのかもしれない。ただのB級ホラー映画と言い切ってしまえない怪作である。