原題:Speed
製作年:1994年
製作国:アメリカ
配給:20世紀フォックス
監督:ヤン・デ・ボン
脚本:グレアム・ヨスト
製作総指揮:イアン・ブライス
製作:マーク・R・ゴードン
撮影:アンジェイ・バートコウィアク
キャスト:キアヌ・リーブス、デニス・ホッパー。サンドラ・ブロック、ジョー・モートン、ジェフ・ダニエルズほか
(以上、映画.comより)
(あらすじ)
ロサンゼルスの高層ビルのエレベーターに市民が10数名閉じ込められた。犯人は警察に脅迫の電話をし、要求に応じなければエレベーター内の乗客を皆殺しにするという。そこでロス警察SWAT隊のジャック(キアヌ・リーヴス)は、パートナーのハリー(ジェフ・ダニエルズ)と共に乗客を救出し、事件は解決すると思われたが・・・。
72点/100点満点中
映画マトリックスで一世風靡したキアヌリーブスだが、日本で注目されたきっかけとなったのがこの映画だろう。大味だが派手なアクションシーンとわかりやすいストーリーが売りで、安心して見ることができる名作。
バスで爆走する映画というイメージが強い本作品ではあるが、最初の数十分は上記の通りエレベーターが舞台である。高所恐怖症のツボを上手く刺激するハラハラするアクションの中で、主役のジャックと相棒のハリーの絆を描く。
といってもそれはあくまでオープニング。本編はその後のバスのシーンである。タイトルであるスピードも、バスの速度に関するものだ。迫力あるカーアクションは必見。このバスシーンを含め、CGをほとんど使わないで撮影されているというところが凄い。
主人公のジャックは抜群の運動神経と明晰な頭脳を兼ね備えており、アメリカ映画の主人公ならではの無謀とも言える勇気も持ち合わせている。しかし犯人のハワード・ペイン(デニス・ホッパー)も智謀に長け、一筋縄ではいかない。派手なアクションシーンだけでなく主人公と犯人の知恵比べも楽しむ事ができる。
主人公と同じくらい活躍しているとも言ってよいヒロインのアニー(サンドラ・ブロック)。傍若無人な様子で登場する彼女が、あたふたしながらジャックと協力する様子が実に面白い。
そしてこの作品の一番面白いところは、やはりそのスピード感。切れ目のないアクションと次々に起きる問題。そしてそれらを盛り立てる群衆(エレベーター、バスの乗客)の怒号。ハラハラドキドキ感が最初から最後まで続く。まさにこれもタイトルのままである。この映画、荒唐無稽で突っ込みどころも多いシーンも多い。しかしそれもこの映画のウリであるスピード感で全て吹き飛ばしてしまう。そんなパワフルな映画だ。
文句をつけるならば、あくまで「ただのアクション映画」だということだ。深いストーリーはなくキャラクターの魅力を語れるほどの個性もない。そのあたりがおざなりになってしまったことが、続編「スピード2」の失敗に繋がってしまったのかもしれない。しょうがないことか。
何度も金曜ロードショー等で地上波放送されている定番映画。観たことない人は一度見ておくべき、アクション映画の金字塔である。