原題:The 5th Wave
製作年:2016年
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
監督:J・ブレイクソン
製作:トビー・マグワイア、グレアム・キング、マシュー・プルーフ、リン・ハリス
キャスト:クロエ・グレース・モレッツ、ニック・ロビンソン、ロン・リビングストン、マギー・シフ、アレックス・ロー
(以上、映画.comより)
(あらすじ)
異星人の宇宙船“アザース”が突然地球に現れ、波状攻撃を仕掛ける。第一波から順に、電子回路の破壊、天災、疫病など…異星人の攻撃により地球人側は多大な損害を受けていく…
45点/100点
アメリカのヤングアダルト小説(日本でいうライトノベルのようなもの)の実写映画化作品。つまるところは、少年少女を対象にしたライトな作品であるが、日本では「超大作SF映画」というような宣伝がされていた。もちろん邦画でも同じような作品規模に合わない過剰な表現の宣伝が多々される事は多い(テラ・フォーマーズや進撃の巨人等…)。しかしそれらと観客のとらえ方が違うのは、日本での原作の知名度の違いに他ならない。原作小説「フィフス・ウェイブ」はアメリカでは大ヒットしているが日本では全くと言っていいほど売れていない。自分もこの原作小説は未読なのでこれがどれだけ優れた作品なのかは言及できないが、日本はもっと他国の文化を幅広く学んだ方がいいのかもしれない。
はじめに長ったらしく書いてしまったが、つまり何を言いたいか。この映画は、映画「テラ・フォーマーズ」「進撃の巨人」と同様の、ダメダメ実写映画化作品だということだ(それら2つの映画はレビュー記事を起こす気にもならないが)。この映画はツッコミどころの多さと構成の悪さがひどく、あまり褒めるところがない。
ストーリーとしては、単純な宇宙人の地球侵略ものである。しかし、おそらく原作が長いのであろう。映画の時間に対し内容を詰め込みすぎている。最初に宇宙人からの攻撃第一波から第三波がダイジェスト風に説明され(そこダイジェストでいいのか?)、その後はロードムービーのような内容。そしてボーイミーツガールがあり、終盤はSFスリラーへと雰囲気が一変する。前半と後半で映画の雰囲気が変わる作品は多々あるが、このような構成はそれぞれの箇所がシナジーを持たねばならない。この映画に関してはそれぞれの箇所の作りこみも甘く描写も中途半端であり、作品全体に良い効果を与えてもいない。
この映画でよいところは、まずクロエ・グレース・モレッツが可愛いということ。といっても可愛いだけでこの映画での演技に特筆すべきものはない。それと、話を詰め込めるだけ詰め込んでいるため、展開として面白いネタはいくつかはある。アイディアを書き連ねたネタ帳のような映画である。人に薦めたいとは思えないが、何かをしながら片手間で観る映画としては悪くないだろう。